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イシイのミートボールは、農へ。子育て応援へ。後編

イシイのミートボールは、農へ。子育て応援へ。後編

イシイのおべんとクン ミートボール。45歳すぎの人には懐かしい言葉です。お茶の間にたくさん流れていた石井食品の人気商品のテレビCMが、ピタッと止まって20数年。一体何が起こったのか。大量生産大量消費の成功トップランナーから、農へ、子育て応援へ、と華麗な変身をして、日本の食文化の意識に大きな影響を与えている、石井食品の無添加調理(※)シフトとトレーサビリティと旬の食材のストーリー、後編です。
※石井食品での製造過程においては食品添加物を使用しておりません
TOP写真は、石井食品の石井社長と訪れた笠間の栗農家の入江さん。

日本の自然は、一次産業を守れば、守れる。

石井食品の石井社長も子育て奮闘中の当事者です。子どもの将来を明るくする道筋を語る時には熱がこもります。

子どもの健康を守るためには、なるべく野菜も鶏肉も国産で。しかもその生産履歴が辿れるものを買いたい。選びたい。「農薬や化学肥料や遺伝子組み換え穀物をなるべく使わずに、ミートボールを作ってください、石井食品さん。」と、1990年代の子育て中の忙しいお母さんたちがお願いしたのだろうことは想像に難くありません。

あれから30年。すっかり無添加調理が定番となった石井食品はさらに子育て応援として、手間ひまのかかる旬の味覚をなるべく簡単に味わえるメニューを季節ごと世に送り出しています。それが実際、どういうコトなのか。知りたいと言ったところ、現場を見せていただけることになり、石井食品の石井社長に茨城県笠間市の栗農家の入江さんのところまで連れて行っていただきました。

栗農家の入江さん。

入江さんは、早朝の栗拾いの大変さや、大阪のイベントに焼き栗カーで行った時面白かったことを楽しく話してくださいました。森を背にした重厚かつ伸び伸びした栗の木にはまるまるとした毬栗が育っています。重い栗のカゴをよっこらしょと運ぶときにぎっくり腰にならないか、担当の石井食品の社員さんはいつもヒヤヒヤ。2023年8月28日の写真です。

石井食品の石井社長の手の上に乗った入江農園の栗。まるまる。

世界には自然がたくさん残っている国とそうでもない国があります。日本は政治選択や化学物質の制御の分野では遅れをとっていますが、多様性は恵まれているほうであり、一次産業を守ることで、自然が守れる国、といわれています。一次産業である農業は、自然を根こそぎ倒すこともできますが、自然を活かしながら、より元気にしながら農作物も手にいれる、里山型の農業も可能です。もちろんそれには一次産業に従事している農家さんや漁師さんや林業家さんたちの自然を守る姿勢と行動が大前提となります。2010年名古屋で開かれた国連の第10回生物多様性締約国会議(CBD-COP10:シービーディーコップテン)の議長国日本はこの形の一次産業を里山イニシアチブとして世界に提案し、採択されましたが、この際、日本の一次産業の従事者の自然を守ろうとするモラルの高さや知識の豊富さが世界に報告されました。

大槻農園で大槻さんから栗の話を聞く石井食品の石井社長。2023年8月28日。

農業や漁業や林業。日本で小規模に生産されている海の幸や山の幸が、食卓に届けられることで自然が守られる、ということは、すごいことです。何がすごいかというと、それだけまだ日本には自然が残っているということと、日本の食文化には自然を守る機能がある、ということ。もちろん農薬や化学肥料や遺伝子組み換えなどサステナブルではない手段が使われないことが条件です。

栗ひとつぶに込められた、国産和栗、無添加調理、持続可能性。

例えば、暑い夏がすぎて涼しい秋になると日本人は自然と栗ごはんが食べたくなります。栗ごはんを作るには栗とお米が必要だから、栗の木と稲を育てないといけない。栗が成るのも、お米が実るのも年に一回です。お米は年に一回収穫するとまず新米で食べ、あとは保存して一年間食べます。お米も栗も採れた時に食べるのが美味しい。これが旬です。

この年に一度の収穫のために、広い敷地を確保して、栗の木を植えて、ずーっとお手入れ、お世話をしなければなりません。農家さんは大変です。でもそれをちゃんとすると、美しい栗林という日本の自然が守れます。農薬を使わない美しい栗林が広がると、そこに生きる虫や鳥や動物などの生物多様性も守られます。栗を売って、農家さんは栗林を維持する資金を得ます。自分が食べていくためにも、栗林を維持してくれる次世代を育てるための資金が必要です。農家さんがやる気を失わないためにも、栗を売る必要があります。農家さんが自分で焼き栗カーを運転して出かけて、町で売ることもありますが、手分けをする人が必要です。

入江農園の入江さんから収穫の大変さや焼き栗の話を聞く石井食品の石井社長。抱いているのは、育児中のお嬢さん。打ちあわせの時にも連れていくことも。

栗は落ちるのを待つ。すぐ拾う。朝めちゃくちゃ忙しい。重い。

栗は毎朝落ちたものをすぐ拾います。そうしないと虫に食べられてしまいます。広い栗林で延々と栗を拾いカゴに入れ、重たいカゴをいくつも運ぶ重労働。気をつけないと腰を痛めます。焼き栗は大人気ですが、毎朝栗を拾って焼き栗カーのいるところまで届けてくれる人がいないと続きません。一年にその時だけ忙しくなる繁忙期。それをどう乗り越えるか、農家さんの知恵の凝らしどころ。それにしても、ひとりで全部やるのは大変です。

そんな農家と自然環境の両方の事情を知ったうえで、とことん伴走しようとしているのが「助け手」、無添加調理の石井食品です。買ってくれる人たちの、どこで育てた鶏肉ですか、どこでどうやって育てた玉ねぎですか、という声に答え続け、もう全部お知らせしちゃおう、とトレーサビリティーを公開しているうちに、農家の事情を知ることになり、結果どんどん伴走することになりました。

おすすめ品種の甘い「倉方(くらかた)」の栗の形を見せてあげる、と鋏をいれる大槻さん。

旬のものを食べよう。

研究熱心な栗農家の大槻さん。石井食品の栗ごはんの栗を作ってます。

石井食品が伴走するのは農家さんだけではありません。安心で美味しいものを食べたい人にも伴走します。時短したいけど、どうすれば美味しいものが食べられるか、というお客様に、美味しいものと自然環境はつながっているのですよ、旬のものを食べることで、人の健康と自然環境を守ることもつながっているのですよ、という話をしながら、農家さんの苦労も伝えていきます。

作物には旬があり、その旬を大事にする農家さんとの連携が、石井食品のお惣菜の質に直結します。旬が生きている商品ができるのです。みんなに「旬のものを食べてもらいたい」という思いと苦労の結晶です。

ほら紙に乗せるとわかりやすいよ。と、見せてくれた、栄養たっぷりのぷっくりとした栗の形。きれい。(写真右)

本物の栗ごはんの下ごしらえは正直言って大変。

具体的には、栗農家さんと密に連絡をとり、加工までの時間を短くすることで、無添加調理でほくほくの国産和栗ごはんが作れます。栗そのものの甘みを感じてもらいたいからと、砂糖も入れていません。貴重な本物の栗ごはんです。さらっと言っていますが、そのかげで行われている苦労は大変なものだとお察しします。

独自の氷室完熟栗も開発。

今年とれた栗をさらに甘みを引き出すため2週間、−2℃から2℃の氷室で低温貯蔵し熟成させた「熟成栗」も作れます。全国の産地、ご当地野菜とその旬を生かした商品が作れるのが石井食品の真骨頂です。

手が足りない時は社員総出で剥くこともある。石井食品の栗ごはん。

手間を省くため、機械的、物理的、化学的に剥くこともできるけど、それだと美味しくない栗。旬を大事にするため、剥く手が足りないという農家さんのSOSの声に応えて、石井食品の社員さんが、営業も事務も、総出で栗むき出社した年もあったそうです。「あーそんなこともあったねー、あはは」と笑う農家さんと社員さんと石井社長の関係を目の当たりにして、これは食べねばと誓いました。栗ごはんに秘められたドラマあり。手剥きの栗ごはん。決しておろそかにできません、食べ残せません。ありがたく、いただきます。

石井食品の採れたての栗だけを使用した「茨城笠間市の栗」栗ごはんの素で作った栗ごはん。

私たちもしっかり選ぼう。エシカルな食事を。

どうしたら自然を守る農の営みを次世代へ引き継げるか。自然環境と農業と食卓をつなげるお惣菜づくりの苦労もまた、農家さんの苦労に負けないくらい多岐にわたっていて、タイヘンです。自然の恵みをそのまま美味しく、安心して家族や子どもたちと食べたい私たちも、農家さんに負けないくらい、ちゃんと選びたいと思います。

並んで立つ笠間の栗農家入江さんと石井社長
並んで立つ笠間の栗農家大槻さんと石井社長

お話を聞かせてくださった石井食品の石井社長、茨城県笠間の栗農家の入江さん(上の写真)、大槻さん(下の写真)、どうもありがとうございました。

ずらり勢揃い。移り変わる旬に合わせて。石井食品の今年採れた栗だけを使用した「栗ごはん」炊き込みごはんの素、4種。

イシイのオンラインストア | 石井食品公式通販サイト(栗ごはんの素)はこちら


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