NEW ENERGY TOKYO
2023.10.14
2023年9月7日~10日の4日間、新宿住友ビル三角広場で、Blue Marble(ブルーマーブル)がキュレーションする、展示会・マーケット・メディアを内包したクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO (ニューエナジートーキョー) 2023年9月展」に行ってきました。
NEW ENERGY TOKYOを運営するブルーマーブルは、もともとクリエーションの祭典「rooms(ルームス)」を運営していたチームが独立してスタートしたものです。
「rooms」とは、2000年9月、アッシュ・ペー・フランスというセレクトショップを運営する会社が小さなショールームに12ブランドを集めて始めた展示会です。そのあと、年に2回、過去40回以上開催し、日本有数のプラットフォームとして進化しました。旧来の合同展示会ではなく、クリエイションを生み出す人と享受する人が集まった、共同体のような次世代のプラットフォームは、縦横無尽に創出される出会いや新しい文化、アイディア、ビジネスを生み出そうという意欲に溢れていました。
そんなroomsから発展したNEW ENERGY TOKYO。今回が3度目の開催です。初日の様子をあうんエシカル百科店の編集部員がレポートします。
エシカルがいっぱい
会場に足を踏み入れたとたん、「わっ、エシカルが、こんなにいっぱいある!」と、ワクワクしてしまうほど賑わっていました。エシカルをテーマに集められた商品が一堂に会する様は圧巻です。興味本位で足を踏み入れただけで、今まで知らなかったエシカルグッズとの出会いや、地球環境を守るとはなんぞやなどなど、学びも沢山ありました。
エシカル商品はストーリーに触れないと分からないもの。NEW ENERGY TOKYO (ニューエナジートーキョー) に行って、たっぷり一つ一つのエシカルストーリーに触れてきました。
海外ではGinger Beer。発酵ジンジャーエール
ジンジャーエールの歴史、そもそもはジンジャービアといってアルコール飲料だったそうです。イギリスビクトリア朝時代に作られていたのが発端です。それが時代とともにソフトドリンクに変化したわけですが、海外ではジンジャービアとして近年特に健康志向の強い人たちの間で人気だそうです。日本ではまだ馴染みの薄いジンジャービアの生産、普及に努めているのが「しょうがのむし」です。さいたま市見沼の休耕地活用と無農薬、超低農薬で生産する生姜を使用しているこの2点がエシカルポイント。その生産背景も興味深く楽しいお話でしたが、ビアというだけあってコクもある味わいでとても美味しかった。ビール好きな妊婦の友達にプレゼントしたくなりました。
ヴィーガンチョコレート「H!P CHOCOLATE」
動物性の材料を一切使用せず、オーツミルクを使用するヴィーガンフレンドリーながら、従来のヴィーガンチョコレートとは一線を画す、ざらつき感もなく、滑らかな味わいが特徴。豊富なフレーバーとポップなパッケージデザインが親しみやすくて可愛いらしい。そもそも、ヴィーガンのチョコレートを食べたいという願いから立ち上げた「ヒップチョコレート」。イギリスの老舗チョコレートメーカー「Cadbury(キャドバリー)」の創設者、John Cadburyのひ孫であるJames Cadburyが、2016年にロンドンで立ち上げた英国ならではのセンスが光るチョコレートブランド「ラブココア」から誕生しました。パッケージ資材も環境配慮をしたもの。ちょっとした手土産やプレゼントにも喜ばれそう。
消臭・除菌スプレー「NIOCAN」
ニオイのプロフェッショナルが開発した消臭・除菌スプレーのエシカル商品「NIOCAN」のブースにはたくさんの人が足を止めていました。 天然精油由来の成分でできていて、悪臭に香りを被せて誤魔化すのではなく、「ニオイをキャンセル」するのだそうです。試供品をもらって、私と子どもの汗を一夏吸い続けた枕にそれぞれひと吹きしてみたら、レモン、ベルガモット、フランキンセンス、ホーリーフなどを配合したさりげない香りとともに、確かに悪臭の要素を感じなくなった気がしました。試供品のパッケージがガラス瓶(蓋部分だけプラ)と紙箱だったのも好印象でした。
“ものづくりのまち”墨田区の地域ブランディング事業「すみだモダン」
“ものづくりのまち”墨田区が地域の産業ブランド力をPRするために始まったプロジェクト「すみだモダン」。2009年より、区内で付加価値の高い商品や飲食店メニューをブランド認証することから活動をスタートしています。2021年からは、プロダクトだけでなく商品背景である事業者やその活動も認証対象とし、リニューアルしました。認証された商品や活動は公式サイトでも紹介されていて、サイトから購入できる商品も多数あります。
SDGs視点の評価審査基準を設けた「サステナブルコスメアワード」
会場には数多くのエシカルブランドやエシカル商品が一堂に会しています。予備知識がないと、何を選べばいいのか分からなくなっちゃう、という人のために。また、エシカル商品や生産者を応援するためのアワードの発表の場としても。 「サステナブルコスメアワード」は、化粧品及びファイントイレタリー分野における商品について、日本で初めてSDGs視点で評価審査基準を制定した、「人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰するアワードです。シンプルなブースには2022年の受賞コスメが並びます。あうんエシカル百 科店でも取り扱いのあるKruhiのボタニカルシャンプー&トリートメントは、22年のGOLD賞を受賞しました。23年のアワード発表は24年2月の予定ですが、公式サイトでは19年からのアーカイブも見ることができますので、エシカル消費の第一歩を踏み出してみたい方や、新しいエシカル商品との出会いを求めている方は、覗いてみてはいかがでしょうか。
サステナブルコスメアワードのサイトはこちら( https://sustainableaward.jp )
ハギレや古着のアップサイクルで独自の世界観を表現「DOKKA vivid」
ファッションブランド/デザイナーユニット「DOKKA vivid」は、遠くからでも目を惹く、その名の通りビビッドで派手派手、独特のアジアンテイスト漂う世界観が魅力です。大阪文化服装学 院卒業間もない2人が在学中に立ち上げたブランドだそう。そのコレクションの多くは古着を組み合わせてリメイクされたものですが、ブランド独自の世界観はしっかりと確立されていて、いわゆるZ世代の彼女たちは、ものづくりを学ぶ段階から、作ることと並行してエシカルやアップサイクルについて当たり前に考えてきた世代でもあります。
ファッションデザインを学ぶ学生たちが試作品を作る際に大量に使う「シーチング(生地)」のアップサイクルにも今後取り組んでいく予定とのこと。今後の活躍が楽しみです。
今回、様々なブースを巡って「理想的な、より良い社会」と「リアル=現実」との間には常に矛盾があるけれど、それでも一人一人が着実に駒を進めていこう、と思うことがエシカルなんじゃないかなと、改めて考えました。エシカルを楽しく生活に取り入れられるプロダクトと出会える場所でもあり、エシカルなモノづくりをしているヒト、企業、エシカルな活動に協力しているヒト、企業、地球の未来、私たちの未来を考えて頑張っているヒトの存在を知って、ますます応援したくなりました。
エシカル商品はストーリーに触れてみないとその良さが分からないもの。NEW ENERGY TOKYO (ニューエナシジートーキョー) は、半年に一度開催されています。
次回はあなたもぜひ、行ってみてください。