植物の栄養が詰まった本物のジュースで健康に。
2023.10.13
2014年に日本初のコールドプレスジュース専門店「サンシャインジュース」をオープンさせたコウ ノリさん。コールドプレスジュースとは、素材に熱を加えず生のまま(コールド)、強い圧力をかけて(プレス)、野菜や果物が持っている水分を搾り出すジュースのこと。栄養分をダイレクトに身体へ届け、デトックス作用もあります。サンシャインジュースはなるべく無農薬や減農薬の野菜を使ってコールドプレスジュースを作っています。このジュースは野菜の栄養がギューっと詰まっているので、食事一食と置き換えてクレンズ(やファスティング)をすることもできます。恵比寿のお店に行けない方は、便利なお取り寄せもあります。
各地で集まる廃油を使って走るサンシャインジュース号
各地の生産者との繋がりを大切にするため全国を巡っていたノリさん。そんな移動にも何かもっと意味をもたせたい、そんなアイディアでできあがったのが廃油で走り、ソーラーパネルで発電して電源を動かすオフグリッドのサンシャインジュース号。訪れた土地にある旬で新鮮な植物でコールドプレスジュースを販売し、より力強く自然のエネルギーを体験してもらっています。
ジュースに使う野菜を探すため、生産者と出会うために日本全国を旅する中で、移動による環境負荷を減らしてさらに何かメッセージを付け加えられたらいいなと考えて思い出したのが廃油で走る通称「天ぷらカー」。意識の高い飲食店の皆さんから良質な植物性廃油をもらって濾過して走れば排気ガスはキッチンの換気扇と同じ。大気もさほど汚さず、自然への負担を少しでも軽くできます。捨てるはずだった大量の天ぷら油をリサイクル。ゴミが使われ循環します。
葉山に暮らす、素晴らしい野菜を作るノリさんの友人のリー君の畑「Bassed farm」にもこの廃油フィルターステーションを設置。飲食店から出る植物性廃油を濾過して、車を走らせています。こういった「循環」に意識が向いている仲間と繋がりあうことで様々な取り組みが実現しています。今後はBassed farm の農機具などもこの廃油で動かしていく計画もあるそう。
生ごみが生まれ変わるコズミックコンポスト
ここは千葉県一宮町にある農家兼コンポスト場。以前からジュースを作るたびに出る搾りかすをどうにかできないかと考えていたノリさんが辿り着いたのがコンポストでした。お店で出た生ゴミを副資材と混ぜ発酵熟成させ、堆肥化させてできた完全植物性の堆肥をコズミックコンポストと呼んでいます。
千葉県一宮の生産者、THE Farmer’sの鉄平さんといちさんはノリさんのコンポスト仲間。よい野菜を作るために良い土壌を作ろう!という考えが一致して、店舗ででる生ごみは廃棄せずに100%コンポストして土を作っています。そんなふうに協力してくれる生産者が都内近郊では、THE Farmer’s以外でも、青梅のome farm、そして葉山のBassed farmに協力してもらって生ごみからできる植物性の堆肥で育つ野菜や果物がまたお店に戻ってきてジュースになるという宇宙循環が完成しています。
鉄平さんがノリさんにコンポストやりませんかと誘われた時は、農家を始めて半年くらい経っていましたが、コンポストについては何も知らなかったそう。みんなで堆肥作りの第一人者である三重県の橋本力男さんのもとで勉強会に参加して、土と菌について勉強して。昨年クラウドファンディングで資金を募りそのお金で堆肥場を作ったそうです。
サンシャインジュースで出る搾りかすは、全てこの土の中に混ざっています。良い土を作ることで土の中の微生物が活性化し、栄養を蓄え、呼吸をします。こうして育てられた野菜はパワーが違います。土にパワーがないと化学肥料などで補わなくてはいけない。それはやりたくない。コンポストってどれだけ地球に優しいんだと思います。(by いちさん)
温度の上昇具合、追加する米ぬかの量など、みんなで何度も繰り返し探りながらベストを探究しています。今は良い形ができてきています。それで育つ野菜も味とエネルギーが格別です。( by 鉄兵さん)
搾りかすを食べ物に利用しないの、と聞かれますが、栄養が水分としてジュースに結構出ていきます。それなら無理に食べず、もっと大きなスパイラルとして循環するコンポストがいい。時間がかかるし大変だけど、上手く野菜が育ったら、それを材料としてジュースに繋げたい。このコンポストを利用して育った野菜のジュースで乾杯したいです。(by ノリさん)
野菜ジュースはミキサーさえあれば誰でも作れる。ただの高いジュースにならないように、しっかりとその価値を伝えないと。それが、ノリさんがジュースの材料で使う野菜や果物がどんな思いで作られているのかを調べ、共感や納得できる野菜だけを使う理由です。
ノリさんがすすめる、もっとも美味しく野菜や果物を味わう方法。それはもぎらずに自分から野菜に顔を近づけて食べる「地球食い」。ワークショップで野菜を食べない子どもに地球食いを勧めたら、「ママ、この野菜美味しいよ!」。2歳の子でも生きた野菜を食べればその美味しさを感じられる。大人にもその感受性はあるはず。
誰でも作れる野菜ジュースだからこそ、その奥にあるものを見たい、感じたい、大事にしたい、さまざまな人の想いやパワフルなエネルギーを感じ、人の心と身体に強く残るジュースをこれからも作っていきたい。サンシャインジュースの挑戦は今日も続きます。