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井浦 新の思い全てが詰まったKruhiのシャンプー 【前編】

井浦 新の思い全てが詰まったKruhiのシャンプー 【前編】

100%自然由来成分のシャンプーを手掛けるため、ご夫婦で新たなブランド”Kruhi”を立ち上げた俳優の井浦 新さん。Kruhiは、髪の栄養、使用感、香り、洗髪後の水、容器のリサイクルまで、人と環境への配慮を最大限に追求したブランドです。立ち上げた背景やシャンプーへのこだわりなど、井浦さんにお話をうかがいました。

みんなが幸せになれるプロダクトを作りたかった


Kruhiのロゴは妻であるあいさんの甥っ子さんがデザイン

井浦さん 「僕は生まれも育ちも東京ですが、山が近い自然豊かな場所で育っているので、今でも家族と登山や自然の中へ旅をしています。自然が好きだからこそ、妻ともよく話していたのが環境問題のことでした。結婚して子供が産まれ、より良い未来を子供へと繋げていくには、今の社会は便利だけれど犠牲にしていることが多い。子供たちが学校で環境問題を学んできたことも重なり、自分たちの家の中や暮らしの中で、もっとアップデートできることはないかと考え始めました」

ーアップデートとは具体的にどのようなことをされたのでしょうか。

井浦さん 「買い物では商品の表示を読み、ナチュラルなものを選んだり、使って捨てていく商品は循環できるものを選びました。暮らしの中でよく使うものを中心に、体に栄養があり環境にも負担をかけないものを意識しながら家の中を変えていきましたが、井浦家の中で一番変えづらかった部分がバスルームだったんです。
うちは4人家族ですが、それぞれに髪の悩みがあり、それに対応したシャンプーボトルがずらり。1人1人が頭皮や髪の健康を考え選んでいるのに、結果的にゴミも生活排水も増えるのっておかしい、幸せじゃないよなって矛盾にぶつかるんです。どんなに探しても髪の仕上がりも良く、環境にも負荷をかけない、みんなが幸せになれる商品に出会えない。それなら全てが叶うシャンプーを自分で作ってみようと思ったんです。アパレルやライフスタイルに関しては、かれこれ20年近く物作りをしていますが、コスメ業界は初めて。右も左もわからないところからのスタートでした」

自然と調和しながら、ラグジュアリー感も追及


100%自然由来成分、洗髪後の排水も自然に返る

ー生活排水が大きな水質汚染の原因となっている現代において、健康、環境にも優しいプロダクトとして井浦さんご家族が出会ったのが、石けんシャンプーでした。

井浦さん 「ありとあらゆるシャンプーを試した結果、たどり着いたのが石けんシャンプーでした。石けんシャンプーは生分解性が高く、洗髪後排水された水も分解され地球に返っていく優れものです。これはいい!と。しかし、問題点が2つありました。1つめが洗った時にきしむこと、2つめが髪の仕上がりや香り含めて、質素な感じが抜けきれないこと。石けんシャンプーを色々と使ってみて気付いたのですが、シャンプー後のアイテムはリンスしかないんです。だから髪の仕上がりが少しパサつく。なぜもっと保湿力の高いトリートメントはないんだろうと思ったんですね。環境のためにきしみや香りを我慢する自己犠牲では続きません。洗髪後の髪のきしみが軽減され、使用時もラグジュアリーな気分を味わえる、そして環境にも負荷をかけないヘアケアにしようと方向性が決まりました」

鹿児島にある小さな化粧品工場との出会い


商品の主原料として使用されるパッションフルーツ

井浦さん 「理想とする石けんシャンプー&トリートメントを作るため化粧品工場探しをスタートしたのですが、自然派とは名ばかりでケミカルも使っている工場もあったり、きしみのない石けんシャンプーなんて作れないと断られたり、”芸能人プロデュースなら、こちらでいくつか作るんでその中から選んで!”と言われたり(笑)、ガッカリするタイミングはたくさんありました。そんな中で鹿児島の南大隅町で廃校になった小中学校を改修し、化粧品作りをされているボタニカルファクトリーさんを見つけたんです。すぐに全商品を取り寄せて使ってみたら、髪の仕上がりも良くとても素晴らしい。ボタニカルファクトリーの製品は、機械ではなく”人”を感じるんです。温かい。商品やパッケージから真面目さをすごく感じました。すぐに連絡をしてお話しをさせていただき、きしまない石けんシャンプー、そして髪の仕上がりも香りも良い石けんシャンプー専用トリートメントを作りたいと、真っ直ぐにぶつけました。その思いを全て受け止めてくださったのが、ボタニカルファクトリーの社長である黒木さんです。後日家族全員で工場にお邪魔させていただきました。工場に到着すると、名前の通りボタニカルないい香りが漂っているんですよ。それがもう衝撃で。自分が求めている商品を作ってくれる工場はここしかないと思い、共同開発が始まりました」

固定概念を覆すことで開かれた石けんシャンプーの新しい扉


井浦さん自ら作業の手伝いをすることも

ーKruhiの生産をしているパートナー工場「ボタニカルファクトリー」を立ち上げた黒木さんは、元々大阪で長い間ケミカルな化粧品を作っていました。娘さんのアトピーをきっかけに、ナチュラルな石けん作りをスタート。地元である鹿児島県南大隅町へ戻り、自然由来成分100%の化粧品作りをされています。

黒木さん 「井浦さんからコンタクトがあった時は、”本気かな〜(笑)”と思いました。しかし、初めてお会いした時に、私の話を聞きびっしりノートにメモをしていた姿が印象的でした。物作りに対して、ものすごくひたむきで真面目。大量に作って売れればいいという考えが微塵も感じられない。これは本気度が違うなと感じました」

井浦さん 「僕たちが石けんシャンプーを使い始めた頃に、”なぜ石けんシャンプーにはリンスしかないんだろう?”と疑問が浮かびました。リンスやコンディショナーは髪の表面を保護するためのもの。でもトリートメントなら毛髪内部に浸透して、よりしっとりと、髪の仕上がりもよくなると思ったんですね。きしまない石けんシャンプーと共に、”石けんシャンプー専用のトリートメントを作りませんか?”と提案したら黒木さんはびっくりされていて(笑)」

黒木さん 「化粧品業界の素人である井浦さんが、いきなり石けんシャンプーの弱点と解決に目を向けられた。その視点の鋭さにセンスを感じて驚きました。私も10年近く石けんシャンプー専用のコンディショナー開発に取り組んでおり、技術的な設計と試作品はありましたが、なかなか商品化に踏み切れなかった。今回井浦さんにお話をいただき、長らく考えていた構想を井浦さんの新商品に託そう、そんな思いでスタートしたんです」

井浦さん 「僕らが作りたかったのは潤いも使用感も香りももっとリッチで、多幸感を味わえるシャンプーとトリートメントでした。ボタニカルファクトリーはナチュラルコスメのエキスパートです。そして僕たちは化粧品素人です。だからこそ、僕らは違う畑から来たので概念に囚われずにアイデアを提示することができます。作り上げるまではとっても大変でしたが、黒木さんがすでにお持ちの技術的な設計のおかげで、商品化を早めることができました。お互いの知識と経験で、化学反応が起きたのです!」

伊藤江梨

ファッション誌を中心としたライター&編集キャリアは20年。 そのかたわら、”楽しくワクワクする人生作り”に興味がわき オーガニックコスメを使ったエステサロンで働く、 35歳からアメリカ留学するなど様々な経験を重ね 現在は心・体・魂が喜ぶライフスタイルを実践
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