【独自取材】井浦新・あい夫妻が語る“ものづくり”への思い
2024.03.01
サステナブルコスメ「Kruhi(クルヒ)」でアワード金賞を受賞した井浦新・あい夫妻。今回、取材陣は、授賞式直後のおふたりに直撃インタビュー!俳優業との両立、お互いへの感謝の気持ち、子育てについてなど、話をお聞きしました。
「大切なのは、植物や果物、そして人と出会うこと」と、井浦夫妻は語ります。
2月15日(木)~18日(日)まで開催された、展示会×マーケット×メディア 新時代を創るクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」。同イベントでは、「サステナブルコスメアワード2023」の授賞式が行われ、井浦新・あい夫妻が立ち上げたサステナブルコスメブランド「Kruhi(クルヒ)」シリーズ「ALWAYS NEW BALM(オールウェイズニューバーム)(株式会社Valley and Wind)」が、GOLD賞を受賞。2年連続GOLD賞を受賞する快挙を成し遂げた。▼【記事】「サステナブルコスメアード2023」授賞式リポートはこちら!
井浦新・あい夫妻、徹底的にこだわったコスメが2冠達成「これからもまっすぐなものづくりを」
「GOLD賞は非常に重い。これからもまっすぐなものづくりをしていかなければならない」。授賞式での井浦のコメントが印象的だった。
「Kruhi」シリーズは、安心して使える自然由来成分100%のプロダクト。去年GOLD賞を受賞した石けんシャンプー&トリートメントは、鹿児島県南大隅町の特産品・パッションフルーツを使用し、完熟不良、キズ、色あせ、シワなどの理由により廃棄されてしまう果実をアップリサイクルすることに成功した。
今回受賞した「ALWAYS NEW BALM」も、南大隅町にあるパートナー工場が製品化。にんにく農家が土壌を豊かにするために植えるハイビスカスローゼルの廃棄問題に着目。さらに、南大隅町に自生する月桃を使用し、バームを一缶ずつ手作業で充填。ハイビスカスローゼル、月桃ともに、昔から肌に良い植物とされており、コスメに役立てることで、廃棄ロスを解決する一端を担っている。
井浦夫妻は、毎月どちらかが現地に通い、ものづくりに励んでいるそう。俳優として多忙な日々を送る井浦にとって、「Kruhi」はどのような存在なのか。
井浦「Kruhiの活動は、僕にとって心が潤う楽しい時間。極端な言い方をすると、遊んでいるというか…家族で楽しみながら活動している感覚です。
体は一つしかないので、俳優業が忙しいと十分な時間が作れないこともあります。妻のあいが背負ってくれている部分が非常に大きいです。僕が1人でやっていたら…このブランドは3秒で終わっていたかもしれません(笑)。
Kruhiは製品を売ることが第一目的ではなく、自分たちが本当に使いたいものは何なのか、地域課題にどのように寄り添うことができるかを考えて作り上げたブランド。農家の方たちが抱いている悩みを、僕たちが一緒に解決できないかと考えています」
あい「俳優業って、実はとても孤独な仕事なんですよね。長時間台本を読んで、役や自分と向き合って、想像力で何かを生み出していく…本当に大変な仕事だと思います。
私はKruhiを運営していますが、毎日本当に楽しいです。『サステナブコスメアワード』に関わっている皆さんをはじめ、同じ目標に向かっている方々との出会いがたくさん生まれていることも、大きな喜びです」
「サステナブルコスメアワード」は、原材料がどこからやってくるのか、廃棄後はどこに行くのか…厳格な審査が行われ、多くのプロセスを経てノミネートされる。
夫婦であり、こうした課題解決に向き合う同志としてともに歩みを進めている井浦さんとあいさん。あいさんは「Kruhi」の活動を通して、井浦さんの新たな魅力を発見したという。
あい「発想力とイマジネーションを現実にするための行動力、そして熱意です。例えば今回GOLD賞をいただいた『ALWAYS NEW BALM』は、2色のバームが一つの缶に詰められていますが、機械では不可能なため、職人さんが一つずつ作業で充填しています。これは夫の熱意で工場の皆さんが動いてくださった結果で、本当にすごいと思いました。工場の皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
Kruhiのコスメには、機能性だけでなく、使う時にハッピーになるような仕掛けが施されています。私が何か作るとしたら、なるべく手間をかけないようにと思ってしまいますが、夫はいつも何かに挑戦して周りの人を動かしていくので、驚くことばかりです」
井浦「今後の構想はたくさんありますが、大事なのは、植物や果物、そして人と出会うこと。常に『この人が作った果実を何かに生かせないだろうか』『まだ誰も製品にしていない植物を、うまく活用できないだろうか』と考えています。
そして僕らが大事にしているのは、なるべくごみを出さない暮らし。ものをつくるということは、同時にごみを増やす行為でもあります。その責任をどこまで設計図に盛り込んでいけるか。自分たちの考えや関わってくださる方、原材料、製品を届けてくれる人や受け取って使ってくださる人…入り口から出口まで全てを把握し、設計図を完璧にしない限り、簡単にものをつくらないことにしています」
2人の子どもを持つ親でもある。子どもたちが羽ばたいていく時、また、その時世界がどうなっているのか…彼らのものづくりには、親としての思いも込められている。
あい「添加物や化学物質にまみれてしまうと、あまり良くないというか、子どもたちの豊かな発想も濁ってしまうのではないかと。特に多感な時期は、肌の状態が精神のトラブルにも影響すると思うので、後から振り返った時、『使うものや食べものに気をつけていて良かった』と感じてもらえればいいなと。彼らが30~40代になって、『健康でいられるのは、お父さんとお母さんがつくっていたものを使っていたからかも』そう思ってもらえたらうれしいです」
井浦「Kruhiが取り組む地域課題や環境問題も、我が家の子どもたちは当たり前なこととして受け止めていると思います。パズルのピースがはまるように、いつかKruhiの活動が、子どもたちにとって答え合わせになれば…そう願っています」
「真っすぐに、安心・安全なものを作り続けますということ。皆さんが少しでもハッピーになるものを作り続けていけたら、僕たちも幸せ」優しい笑顔でそう語る井浦さん。
あい「使ってくださる方たちの声をいただけたらうれしいです。お手紙やメールで感想をくださる方もいらっしゃいますが、もっともっと皆さんの声を聞いて、今後のものづくりに生かしていきたいです」
井浦「もしもどこかで僕たちを見かけたら、ぜひKruhiの製品を使った感想を聞かせてください。使ってみて、体と心がどう変わったのか、生活にどんな変化が起きたのか、聞かせてもらえたらうれしく思います」
▼Kruhi開発秘話/井浦新さんへの独自取材はこちら
【前編/井浦新の思い全てが詰まったKruhiのシャンプー】
【後編/Kruhiを通してみんなに幸せを繋ぎたい】
【井浦新 プロフィール】
1974年9月15日生まれ。東京都出身。ファッションモデルとして活動後、1999年公開の初主演映画「ワンダフルライフ」で俳優デビュー。ドラマ「平清盛」、「リッチマン、プアウーマン」「アンナチュラル」「なつぞら」「最愛」など、多数出演。
現在放送中のドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」、「月とケーキ2」に出演中。主演映画「Tokyo Cowboy」も2024年に公開予定。
2022年に、サステナブルコスメブランド「Kruhi」(株式会社Valley and Wind)」を立ち上げ、3月1日(金)より、「Kruhi」と「nahrin」(スイス)がスペシャルコラボレーションした「Kruhi climbing nahrin」マウントナリンボタニカル石けんシャンプー&トリートメントが発売される。
取材:テレ東プラス編集部
取材協力:NEW ENERGY