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作り手の顔が見えるBean to Bar チョコレートの魅力

作り手の顔が見えるBean to Bar チョコレートの魅力

2010年にサンフランシスコで創業した、Bean to Bar チョコレートのファクトリー&カフェ「Dandelion Chocolate」。その初の海外出店として、2016年2月に東京・蔵前に店舗をオープン。自社でカカオ豆の選定から買い付け、選別からチョコレートを作るすべての工程を一貫して手掛けています。

ワインより複雑になると言われているチョコレートの本来の風味を引き出す、こだわりの製法とは。

作り手の顔が見える丁寧な製造工程や、その味わいの魅力について伺いました。

産地や原材料、作り手の顔がクリアに見えること

Dandelion Chocolateのチョコレートは、パッケージを見れば、収穫年や使用されたカカオ豆の産地が一目で分かります。さらに、ワインのように、収穫年ごとにラベルや文章なども変更されています。


ビジネスデベロップメントマネージャー 物江徹さん

物江さん「カカオ豆ときび砂糖というシンプルな原材料で産地ごとに異なる風味を引き出したチョコレートを作っているので、カカオの味わいをシンプルに感じられるのが大きな特徴です。一つの産地のカカオ豆ときび砂糖だけで作った透明性の高いチョコレートは、手に取る方にも分かりやすく、選ぶ楽しみも味わっていただけると思います。」

カカオ豆本来の風味を引き出す、一貫した製造工程

シンプルな原材料だからこそ、チョコレートの製造工程には細かなこだわりがあります。

使用するすべてのカカオ豆の生産者を訪れ、時には発酵から乾燥までの工程について対話を行い、良質なカカオ豆を直接買い付けています。そして、色や香り、形状などの要素を見極めながら、一つひとつ手作業でプレッピング(選別)していきます。これらの選定が、チョコレートの味わいに大きな影響があるとされています。


現地から数キロ単位で送られてくるカカオ豆の袋の中には、石や羽などが混ざっていることも。ロスとなったカカオ豆は、完全に使用できないもの以外は製造工程で試作をする際などに活用している。

そして、産地ごとのカカオ豆に合わせた温度や時間でじっくりと焙煎し、本来の風味を引き出します。フルーティさやナッティ感などの特徴を活かすため、カカオ豆の特徴によって焙煎時間を調整しています。

豊かな香り、口どけ、なめらかさ

焙煎後、「ウィノウイング」と呼ばれる作業でカカオ豆を細かく砕き、外側の皮と内側のカカオニブを分離。その後、ドラムシリンダーで約4日間かけてなめらかな状態になるまで挽いていきます。カカオの脂肪分によって、なめらかなチョコレートが生まれるのです。


メランジングと呼ばれる作業。カカオニブときび砂糖を合わせて挽いていく。

メランジングしたチョコレートをブロック状にして寝かせ、テンパリングという温度調節の作業に移ります。この作業を経て、美しい光沢と口どけの良いチョコレートを作り出しているのです。


テンパリングという工程によって、カカオの豊かな風味が閉じ込められ、溶けにくくパキッと割れる感触を生み出す。

左から順に「MAYA MOUNTAIN, BALIZE 70%」、「ZORZAL COMUNITARIO, DOMINICAN REPUBLIC 70%」、「WAMPU, HONDURAS 85%」

これら一連の作業は、東京・蔵前の店舗内のファクトリーで行われています。

店内ではチョコレートがどのように作られているのかをのぞくことができ、製造工程を知ることでチョコレートを楽しむ幅が広がっていきます。

ちょっと特別な日や、仕事に集中したい時など、日常の様々なシーンで味わいたい、Dandelion Chocolateのチョコレート。一口食べると幸せな気分になれるチョコレートは、大切な人へのギフトはもちろん、自分へのご褒美にも。

原材料や製造工程がクリアに見え、作り手の顔が見えること。

そこには、心惹かれる一枚を選ぶ楽しみや、味わいの奥深さを感じられる楽しさがあります。

​藤井由香里 Yukari Fujii

京都出身、都内在住。環境問題や日本の文化、ものづくりの背景に興味関心を持つ。 現在は、フリーライター・エディターとして多岐にわたる分野で取材・執筆・編集を行う。
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